「僕、北見サンの事が好きなんです」
そう言うと彼はいつもの笑顔を僕に向けて

「だから、一緒に死んでください」
こんな言葉でもその顔は変わらなく「いいぜ」と言って

じゃあどうやって死ぬ?
首つりは美しくない
薬も確実とは言えない
車では死にたくないし
飛び込みも迷惑だ

そして少し考えてから

「そうだ。花に囲まれて死ぬってどうだ?」

100万本は大げさだが多くの薔薇に囲まれて死ぬのがいい
花に囲まれたお前を見ながら死ねるのは最高だろう

そんな事を言ってまた笑った

「でもそんなにたくさんの薔薇……どうすれば……」
そんな僕の疑問に彼はすぐ「育てればいい」と答え

だから少しだけ待っててくれ
綺麗な薔薇でお前を飾れるようになったら
そうしたら一緒に……


あれからどれくらい経っただろう
2人で育てた薔薇園は見事に咲き誇り
辺りに甘い匂いを漂わせる

「もうそろそろ……」
僕が言うと
「そうだな。もういいだろう」
彼が笑い
999本の薔薇をお互いに送った

「おやすみなさい……北見サン……」
長い時を感じさせるお互いの手を握って
「おやすみ……達也……」
僕らは眠りについた


999本の薔薇の花言葉
『何度生まれ変わっても貴方を愛す』