激しい閃光と轟音が ほぼ同時に襲ってきた。
「っ!!」
「うぉ!!」
僕と北見さんもほぼ同時に声を上げる。
先ほどまで遠くで雷が鳴っていると思っていたら、急な大きな音につい声が出てしまった。
「今の近かったナ?」
北見さんはそう言って、僕の顔をのぞき込んできた。
心なしか目がキラキラしている気がする。
僕が「そうですね」と軽く頷いたら、また轟音が響く。
「あー大丈夫かなー……まぁ停電はそうそうしねーだろーけど」
「停電?」
「昔はナ、雷だー台風だーってよく停電してたのヨ」
不思議そうに聞く僕に、北見さんはそう説明してくれた。
「しかも何時間も消えたままとかザラでヨ。懐中電灯とかろうそくとかで明かりとったりしてナ」
「そうなんですか」
確かに、僕の記憶している限りそんなに長時間電気が消えていたということは無い。
今の生活でそんなに長時間電気が使えなかったら、かなり不便だろうと思う。
そんなことを考えてたら、北見さんは電灯をチラと見ながら
「まぁ最近じゃ電化製品が壊れたりするから、コード抜いといた方がいいらしいが……」
「それじゃ停電と変わんねーよナ」と笑った。

そんな話をしている間にも雷はどんどん激しくなっていき、心なしか地面まで揺れてる気がする。
その時
「なんですか?」
急に北見さんが抱きついてきたので、つい素で返してしまった。
しかし北見さんはそんな態度を気にすることもなく
「いやー、雷怖くて」と、いたずらを楽しんでいる子どものような顔でそんなことを言ってくる。
北見さんはたまにこうやって僕をからかって遊ぶクセがある。
そして僕がどう出るのかを楽しんでいる。
悪いクセだと思う。
僕が暫く黙っていると、北見さんは「何だヨつまんねー」と呟いて
「ちょっとは心配、っつーの?してくれてもいーのにヨ」
そんな風に言うから
「さっきまで平気で話をしていた人が何言ってますか」
と返したら、いたずらがばれた子どものような顔をして
「まーそーだけど」
とまた笑った。

北見さんが僕をからかって
それを僕が返して
その態度を楽しんで
いつもはここで終わりだけれど
「ところで……」
今日はささやかな反撃をしてやろうと思う
「ん?」
「これは誘ってると見ていいんですよね?」
いつまでも抱きついている北見さんに、意地悪く笑ってそう聞いてみる。
そうしたら北見さんは少し驚いた顔をして
「んーまー、そーゆーことかナ」
ちょっと照れながら笑った。

その言葉に、僕は北見さんをギュっと抱きしめる。
やっぱり僕はこの人には敵いそうもない。

北見さん大好き